2023-05

影の騎士真珠の姫

影の騎士真珠の姫 第十三話後編 マリアとゾフィー

四人が一斉に座る。マリアは手をすりあわせて落ち着かないようにしていたが、口を開いた。 「気づけば……川の岸辺に倒れていて……手や足が痛くて……見ればかすり傷がありました。頭もガンガンと痛みがあって、私が誰かも名前も何もかもわかりませんでした...
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影の騎士真珠の姫 第十三話前編 マリアとゾフィー

フィーネペルルとヴァルターはやっと想いを通じ合わせた。  そして差し迫った問題。マリアが姉、ゾフィーかという点で、うやむやのままはよくないと意見が一致した。  話を聞くだけでも聞いて問題の解決に向かうのが必要だ、と二人は考えた。  城に戻っ...
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影の騎士真珠の姫 第十二話 通じ合う想い

部屋で汚れた服を取り替えているとヴァルターがやってきた。声をかけなくともわかる。エルフィとエルマが騒ぐのだ。ヴァルターが来れば、散歩、という図式が愛犬たちに浸透していた。 「エルマ。エルフィ。もう少し待って。ヴァルト。少し待ってくださらない...
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影の騎士真珠の姫 第十一話 変化の現れ

あれから数日、カタリーナは何もフィーネペルルにもヴァルターにも言わなかった。いつものように朝、一緒に食事を取る。その前にフィーネペルルはエルマとエルフィの散歩にヴァルターと共に行く。  今まで、朝食の席には暗い表情で来ていたが、最近、目に見...
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影の騎士真珠の姫 第十話 女神の名を持つ側女

「今日はもう、鏡を見るのはもう良いでしょう? 確か、あの記憶を失った女性はカタリーナの世話役になっているの。カタリーナの元へ行きましょう。おいで。エルマ」  腕を差し出すとエルマがちょこちょこよじ登ってくる。フィーネペルルはエルマを抱きあげ...
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影の騎士真珠の姫 第九話 自分を映す鏡

「それじゃ、まずはヴァルトのお姉さん捜しから始めましょうか」  唐突にフィーネペルルが提案し始める。 「いきなり、そに行き着くのはどうしてですか。まずは影の御し方からでは……」  ヴァルターは突っ込む。自分の事からが先だろうに。 「あら。私...
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影の騎士真珠の姫 第八話 淡く花開く恋

「エルフィはヴァルトが好きなのね。エルマも」  そう言ってフィーネペルルは二匹の頭を撫でる。ヴァルターはにこやかに見ている。その視線にフィーネペルルはやや恥ずかしそうにする。 「どうしてそんなにニコニコしてるの?」 「姫、いえ、フィーネが優...
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神経痛とな……。

今日は出勤日でしたが、激痛でバス停までしか歩けず、欠勤。明日通院の病院を前倒しして検査だけでも、と行きました。大ラッシュで、辟易しながら(もちろん。予約外なので時間が倍以上かかる)いくらかかるかもわからないため、節約しつつひたすら我慢の子で...
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影の騎士真珠の姫 第七話 奇妙な作戦会議

「それでは、みんなで森の泉に来たわ。何を相談すれば良いの? 騎士様」 「騎士様なんて言われた事もありません。ヴォルターでもよいと言ったではありませんか」 「じゃ、みんなからヴォルターと呼ばれていたの?」 「姉と父に……」  伏せがちな瞳にフ...
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影の騎士真珠の姫 第六話 心閉ざした優しき姫君

「ほうら。エルマ。お母さん猫のミルクではないけれど、ヤギのお母さんのミルクよ」  エルマは小さな器に入ったミルクをぴちゃぴちゃ飲み始める。母猫にくっついて飲むほど幼くはないようだった。ある程度は野良猫として生きていたのだろう。 「エルマは偉...
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