気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました

自分の小説の中で姫君となったある少女の無意識と意識の間で次々と起こる事件と恋愛に巻き込まれる異世界恋愛ファンタジー小説。長編化しています。再編してお届けします。

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (16)再編集版

お姉様の婚礼が終わった。嫁ぎ先の侯爵家はお父様の家からそう遠く離れていない。もちろん、生活があるから出仕時間を一時間遅らせた。すると、今度はお姉様が妹といる時間が減ると言って抗議する。  いや、新婚生活を満喫してもらわないと、と言って無理矢...
気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (15)再編集版

お姉様の婚礼準備が終わった。あとは良き日を判断して婚礼の日を迎えるだけだ。私の場合は、城下町を走る車、というか馬車というか、わけのわからない融合物体に乗ってパレードがあるらしく、その設計で宮殿の技術士達はてんやわんやの大騒ぎ。その間にも、ド...
気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (14)再編集版

その日はあつらえた黒い正装に私は身を包んでいた。今日は一年も経ってのお父様とお母様の埋葬式。二度と着ることがないよう願いながら身に纏っていた。 「ゼルマ」  ウルガーが迎えに来た。エルノーも側にいる。アーダが裾を整えて私はウルガーに近づく。...
気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (13)再編集版

王妃様は言いよどんでいたけれど、ついに口を開いた。 「私の一族は物語師と言って様々な物語を紡いで世界を動かす影の一族だったの。でも、その強大な力を恐れた人々は私の一族を抹殺した。唯一生き残った私は、この国の姫として養子で育った。そしてあなた...
気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (12) 再編集版

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (12)再編集版 「ふーん。そういった本がウルガーは好きなんだ」  東屋に来てから時間が経って、二人きりに慣れない私達は持ってきた本をお互い読むだけになっていた。おしゃべりする目的はなく...
気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (11)再編集版

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (11)再編集版 「はぁー。美味しかった」  最初にウルガーはアーダとフローラに追い出され、お風呂に入った。よく考えれば、この宮には風呂部屋があったと思い出した。ウルガーを追い出す必要は...
気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (10)再編集版

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (10)再編集版 夕食が終わって、皆、ばたばたと元の持ち場に戻る。残ったのはウルガーと私。改めて二人きりになるとどうしていいかわからない。ちらちら二人とも見ているんだけど、微妙な距離があ...
気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (9)再編集版

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (9)再編集版 翌朝、ウルガーはやってきた。私が着替え終わったちょうどその頃に。そして部屋へ入るとアーダとエルノー夫婦、アルバンも、さらにはフローラも呼び集めると、座ってみんなで朝食を取...
気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (8) 再編集版

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (8)再編集版 私はひとしきり泣くと放心していた。ただぼーっとしている。アーダやフローラがあちこち移動しているのをただ見ていた。何かを置いている。いえ、納めている? 「姫様の婚礼の物が今...
気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (7)再編集版

気づいたら自分の小説の中で訳あり姫君になっていました (7)再編集版  私は徹底抗戦を始めた。文字通り食事を取らないストライキを始めたのだ。  だれが、あんなヤツと結婚なんか。  喪が明けると待っている婚礼にもかかわらず、私はまだ意固地に思...
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