ユメという名の姫君の物語

ある日目覚めると記憶を失い、ユメ姫となったシャルロッテ姫。進まない縁談話だったが、ある時を境に人生が変わっていく。ユング心理学をテーマとして紡がれる物語。

ユメという名の姫君の物語

ユメという名の姫君の物語第5話 紡がれ始める物語

アレクシス王子の手を取って、どうすればいいかもわからなかったけれど、引っ張り上げられて、そのまま立つとあっという間に庭園に誘い出された。やり手だわ。アビーは私が片腕でずっと抱いていた。 「お気に召したようでよかった」  にっこり笑うアレクシ...
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ユメという名の姫君の物語第5話-ユメ-子猫王子

私が目をぱちくりさせてアレクシス王子を見ると、彼は苦笑いをする。 「俺も運命だから、とかで結婚したくないんでね。君には興味を持ったから、アレクシスとして接してくれ。タイガーと呼んでもいい。この子猫が俺と君を繋ぐ約束だ」 「って。私、結婚に興...
ユメという名の姫君の物語

ユメという名の姫君の物語第4話-ユメ-順調な縁談 (再掲)

「どーして、こう順調なのよっ」  私は一人怒りを爆発させていた。縁談が順調に進みすぎて、もう明日には王子がやってくる。  顔は画像で見た。この国は写真がある。お見合い写真だ。なぜ、この国にあるのが不自然と思うのかはわからない。ただ、私の何か...
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ユメという名の姫君の物語第3話-ユメ-破滅的なドレス選び(再掲)

早速鼻頭の色が落ち着くとお母様はドレスの絵を出してきた。色とりどりの艶やかなドレスが描かれている。 「さぁ、リンダにはどれがいいかしら」  ページをめくってはお母様が言う。ふ、っと一つのドレスに目が行った。 「これ・・・」 「これが気になる...
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ユメという名の姫君の物語第2話-ユメ-変わらないもの

あんまりにもわんわん私が泣くからお母様・・・そうよね。母といっているのだからお母様だわ。お母様がぶっ飛んだことを言い出す。 「そんなに泣くなら、今夜は手を繋いで一緒に寝ましょうか?」 「ええ!!」  驚きすぎて涙が引っ込む。 「そうね。そう...
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ユメという名の姫君の物語スピンオフストーリー:おはなしおはなし

『おはなしおはなし……』 幼い頃、祖父はそう言って昔話を始めた。いつも煌びやかなお姫様と格好いい王子様との物語をしてくれた。それは遠い昔の事……。  私の国にはある姫になれるかどうか試験がある。年頃の姫になると、次々と試験が続けられる。執拗...
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ユメという名の姫君の物語 第一話-ユメ-目覚め

「姫様! 姫様! もうお昼近くですよ。いい加減起きてくださいませ」 「ん? ひめ・・・? 私が?」  起きるとそこは豪華絢爛な部屋だった。 「あのう・・・」  非常に申し訳ないけれど、遅まきながら言う。 「私、誰ですか?」 「姫様ー!!」 ...
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