影の騎士真珠の姫

影の騎士真珠の姫 第二十八話 ゾフィーを追って

「しっかり馬のたてがみにつかまっておくんだ!」  馬を走らせながらヴァルターは言う。フィーネペルルは必死になってたてがみをつかむ。乗り慣れない馬だが、旅で相当慣れた。一気に近くで幕を張っていたレガシア帝国の本陣に駆け込む。正面突破だ。矢が降...
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影の騎士真珠の姫 第二十七話 狙われたゾフィー

「早く、こちらへ!」 「お母様!」  細くひんやりとした地下道に行く。王族だけが使う避難路だ。 「ゾフィーなのね。あなたが」 「はい。でも、私はする仕事が……」  戸惑うゾフィにフィーネペルルが抱きつく。 「あなたを狙って来たの。いないとな...
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影の騎士真珠の姫 第二十六話ゾフィーの記憶

「姉上!」 「マリア!」  二人でカタリーナの部屋の方に急ぐ。 「はい?」  のほほん、とマリアは仕事をしていた。 「いいからこっちへ」  乱暴な言葉になりながらマリアをカタリーナの部屋に連れて行くフィーネペルルである。嫌な予感が的中する前...
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第二十五話 帰国の喜び

帰りの道はあっという間だった。体調が万全でないフィーネペルルを思ってヴァルターとライアンは最短距離で移動したのだ。 「こんな近道があるなら、どうして最初から使わなかったの?」  フィーネペルルが不機嫌そうに言う。まるでまた少女に戻ったようだ...
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影の騎士真珠の姫 第二十四話 死と再生の奇跡

ミスティック・ローズの毒はすでにフィーネペルルの全身に回っていた。それでも中和剤を飲ませると少し唇の色が回復していた。あとは本人の意思だけ、と言われたヴァルターは何日もフィーネペルルの側に座って手を握っていた。 「どうして、君はそこまでして...
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影の騎士真珠の姫 第二十三話 ミスティック・ローズの試練

翌日、国王の代わりとなる貴族の男性が、フィーネペルル達をエーデンローズの聖域へと案内する。  目の前には鮮やかな花と水晶が点在する聖域があった。隣に神殿らしき建物がある。あまりにも美しい景色にフィーネペルル達は息をのんだ。 「ここからはあの...
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影の騎士真珠の姫第 二十二話 花咲き誇るアムネシア国

最後の宿からほどなくして、一際明るい様々な色であふれた、国境が見えてきた。もう、アムネシアに着くのだ。フィーネペルルは旅の終わりを残念に思うも、ヴァルターに秘密を知られてはいけないと、肝に銘じる。女性しかエーデンローズの聖域に行けないと言う...
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影の騎士真珠の姫 第二十一話 愛の贈り物

何日かは街の宿屋に泊まれた。カタリーナとはしゃいで隣の部屋にいたヴァルター達に壁から叱られた事もあった。フィーネペルルとカタリーナはこの自由な旅が面白かった。城での堅苦しい行儀作法もここでは逆効果。素の女性として振る舞えた。いや、幼くなって...
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影の騎士真珠の姫 第二十話 旅立ち

「では、この親書をアムネシアの国王に」 「ありがとうございます。お父様」  フィーネペルルは丁寧に手紙を受け取った。それから父が何かを言おうとしたその矢先、封じるように言う。 「大丈夫ですわ。信じてください」  強い口調の娘に父はもう何も言...
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影の騎士真珠の姫 第十九話 死の覚悟

「フィーネ、カロリーネから聞いたが、アムネシアの方に行くのか?」  翌日の朝食の席、父のゲオルグが聞く。 「ミスティック・ローズがどうしても必要なんです。マリアはヴァルトのお姉様なの。お願い、お父様。ヴァルトにお姉様を返してあげて。二人だけ...
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